Mr.Children『重力と呼吸』のリード曲“Your Song”に寄せてーー

「最高なんですよ、本当に。そりゃあ“シーソーゲーム”や“エソラ”みたいに、思いきりキャッチーでポップな楽曲があるわけではないし、“終わりなき旅”や“I’ll be”みたく、露骨に背中を押してくれる壮大なバラードがあるわけでもないですよ?」

まただ。また気付かぬうちに、僕はポカンと口を開けている知人に向けて、鼻息荒く熱弁している。

「でも、今回のアルバムは、そういうんじゃないんですよ。寄り添ってくれているんだけど、でも、『俺たちこっちに行くけど、着いてくる?』って、そんな問いかけをされたような姿が見えるんですよ。それって、彼らのこれまでのスタンスとしては、本当に革命的なことだと思いません?」

知人は「うん」と「まぁ」を繰り返しながら、かれこれ10分、この話の聞き手に徹してくれている。10分あれば、2〜3曲は聴かせられたな。と僕はまた別の伝達方法を思いつく。

何の話か。10月3日にリリースされたMr.Childrenのアルバム『重力と呼吸』についてだ。

このアルバムが出た日から、とにかくその魅力を、美しさを、素晴らしさを、無骨さを、誰かに伝えたくて仕方なかった。行き場をなくした暴走機関車のような状態である。ウザい。めんどくさい。そう思われても仕方ない。

そんな僕に救いの手が差し伸べられたのは、つい数か月前のことだ。幸運すぎるほど幸運な機会に恵まれた。カルチャーサイト「CINRA.NET」も巻き込んで、特設サイトを作らせてもらうことになったのだ。

テーマは、#YourSong 。

アルバムのリードトラックを飾るこの名曲のタイトルに即して、今活躍している著名人に「あなたにとってのYour Songは何ですか?」と聞くインタビュー企画である。

読者のみなさんにも、イメージしてもらえたらうれしい。別にMr.Childrenでなくても構わない。

「あなたの人生を支え、彩ってくれた音楽は、何ですか?」

カツセマサヒコ

Profile

自営業。1986年東京生まれ。編集プロダクションでのライター・編集経験を経て、2017年4月に独立。取材記事や小説、エッセイの執筆・編集を主な領域としつつ、PR企画やメディア出演など活躍の場は多岐に渡る。特に20代女性に向けたコンテンツに定評があり、SNSで話題に。
Twitter:@katsuse_m