Vol.1 横田真悠 × カツセマサヒコ

最近は、全てのはやりが韓国から来ているんだなと思っています。

インタビュー・テキスト:カツセマサヒコ 撮影:豊島望編集:矢島由佳子
カツセ

横田さんがティーンに与える影響の中で、特に存在感を示すのが33万人のフォロワーを抱えるInstagramだと思うんです。「オシャレ番長」の愛称もすごいし、ファンからのコメントやリアクションがひっきりなしに届いていますよね。

横田

そうですね、本当にありがたいです。

カツセ

そんな横田さんの関心が向いている場所に、韓国があると思うんです。過去のインタビューでは、K-POPもかなり好きだと仰っていました。今年も何度か韓国に行かれていたみたいですが、いつ頃から興味を持つようになったんですか?

横田

小学4年生のときに少女時代さんが『Mステ』に出ているのを見て、「うわー! かわいい!」って友達とハマって、“Gee”を踊ったりしていたのが韓国を知ったきっかけです。もう9年近く好きですね。

Girls' Generation 少女時代 'Gee' MV (JPN Ver.)

カツセ

めちゃくちゃ懐かしい……。あくまでも感覚の話ですが、今の若い人、特に10代は音楽もファッションもカルチャーも、韓国の影響を色濃く受けているように思うんです。LINEも韓国ですし、食のはやりも韓国が先行している中で、横田さんは、韓国にどのような魅力を感じていますか?

横田

最近は、全てのはやりが韓国から来ているんだなと思っています。たとえば日本で今チーズドッグがはやっていますけど、去年の秋過ぎにプサンで仕事をしたとき、現地のモデルさんが「これが最近はやっている」ってチーズドッグを教えてくれたんです。

カツセ

そんなに流行に時差があるんですか!?

横田

そうですね。私は韓国に行ってもご飯を食べるか、買い物をするかしかしていないんですけど、韓国にはかわいい子が多いし、いつ行っても「かわいい」がどこかしらで見つかるなって思います。

カツセ

10代が思っている韓国のイメージと、20代後半以上が思っている韓国のイメージって決定的に違いそうですね。流行の流れが逆転しているのは、すごく興味深いです。

横田

あと、はやりのものを検索したいときは、インスタにハングルで入力しています。

カツセ

ハングル!?

横田

たとえば大阪へ遊びに行ったとき、「大阪」ってハングルで入れたら、日本語で検索をかけるよりもおいしいものやお洒落なものがたくさん出てくるんです。韓国の人って、おいしいものやインスタ映えするものを見つけるのが日本人より上手いから。

カツセ

そんな検索の手段があるんですね……。横田さんは現在19歳で、俗にいう「ラストティーン」と言われる年齢ですが、ティーン誌の専属モデルとしてその言葉にどんな思いを持っていますか?

横田

『Seventeen』では年下のモデルのほうが圧倒的に多くて、上は岡本夏美さん、下村実生さんしかいないから、もう上から3番目。子ども扱いされなくなっちゃうなあ、と……(笑)。

カツセ

逆に、大人になっていく楽しみみたいなものは?

横田

ものすごく自由になるし、仕事の幅も広がると思うんですよ。私、ずっと二十歳になりたくて。19歳になったとき、なぜか全然うれしくなかったし、特別感が全くなくて。安室ちゃんの“SWEET 19 BLUES”がなければ何もないです(笑)。

カツセ

あの曲が今の横田さんを救っているんですね(笑)。

横田

そうなんですよ。だから早く二十歳になりたいなぁ。「大人になりたい」って高校生のときからずっと言っているんですよ。二十歳がひとつの節目でもあるから、自分の中で心境の変化とか少しあるんじゃないかなって思う。新しい気持ちになりたいという意味で二十歳になりたい。それじゃなかったら、大人になりたい。大人に余裕を感じるんです、私は。

カツセ

横田さんが思う「余裕」って、どんなものでしょう?

横田

うーん。時間の使い方とか、物の捉え方とか。今の自分は、ちょっとファンの子に否定的なことを言われただけで動揺しちゃうし、そういう感情の受け取り方において、心が広くなりたい。頭とか心に余裕がある人になりたいなって感じです。

カツセ

大人になりたいという願望がある一方で、横田さんはあまり野心がない人だとも思っているんです。「こうなりたい」「ああなりたい」「あの人を超えたい」って話を今回でも具体的には聞かないですが、それは目の前のことがハッピーになればいいといった感覚でいるからですか?

横田

いっぺんにいろいろと考えられないタイプなんですよ。たとえば今日はこの仕事だからこの資料を見るとか、目の前にあるものに全力投球したいって気持ちがすごく強くて。

カツセ

一歩一歩確実に進んだ結果の、今の場所ですもんね。

横田

でもその一方で、今一番思っているのは、『プロフェッショナル』を撮っていただいたときよりもお芝居がしたいってこと。みんなに『プロフェッショナル』に出たときよりも成長しているなって思われたいから、そこで結果を出せたらいいなという思いが一番強いです。

カツセ

「横田真悠」という周りから見られる立場として、「ここは大事にしないといけない」「これはやっちゃいけない」って決めていることはありますか?

横田

どう見られているかは自分でもあまりわからないけど……「ありがとうございます」という感謝の気持ちは、絶対に忘れちゃいけないなと思っていますね。むしろ、それしか考えられないかも。他に自分でいつも思っていることは、特に浮かばないです。

インタビューを終えて、謙虚さや素直さ、アンテナ感度の高さ、そして10代の無垢さを持ちながら、その年齢からは想像もつかない思慮の深さを横田さんは持っていることを実感した上で、Mr.Childrenの楽曲の中から彼女に合う音楽を改めて考えてみる。

前を向く、躍動するという意味では、
“PADDLE”や“星になれたら”が10代の彼女の背中を押すにはちょうどいいかもしれないし、<夢見てた未来は それほど離れちゃいない>と歌う“足音〜be strong”も、きっと新たな一歩を踏み出す彼女には合うのではないか、いやしかし……と、口煩くなりそうになるのが目に見えて途中で諦める。

彼女はまさにこれから、<花吹雪が舞うような きらめく夏の陽射しのような時>を過ごす。多くの賞賛とともにメディアは横田真悠さんに注目し、それが時として彼女への「重力」となるかもしれない。しかし、「期待されていても、期待されていなくても、全力を尽くしたい」と静かに語った彼女からは、野心とも虚勢とも異なる力強さを持った確かな「呼吸」が聞こえた。

Mr.Children「Your Song」MV

横田真悠(よこた まゆう)

1999年6月30日生まれ。『ミスセブンティーン2014』のグランプリに選ばれ、『Seventeen』2014年10月号より同誌専属モデルを務める。フジテレビ『めざましテレビ』2015年度イメドキガール、NHK『すイエんサー』すイエんサーガールズ(2016年〜)。東京ガス「安全TODAY ガスメーター」、デジタルハリウッド大学などのCMに出演。2018年10月には、NHK『プロフェッショナル〜仕事の流儀〜』に史上最年少で出演を果たした。Twitter:@mayuuuuu_99Instagram:@yokota_mayuu