Vol.3 小沢春菜 × カツセマサヒコ

2羽のインコがいる1DKのアパートを探していました。

2018年、日本で一番テレビに出ていた女性タレントが誰かご存知だろうか?
正解は、ハリセンボンの近藤春菜さん(以下、春菜さん)だ。

この結果を見て、少し意外に思えたかもしれない。
しかし、昨日見ていたテレビ番組を思い出してみると、そこに春菜さんがいたことに気づく。朝寝ぼけ眼で見ていた「スッキリ」にも、夜になんとなくつけていた「天才!志村どうぶつ園」にも、春菜さんがいた。

間違いなく売れっ子のはずなのに、日常に溶け込むように、なんとなく近くにいる。その親しみやすい距離感が、春菜さんの魅力だ。それはどことなく「Mr.Children(以下、ミスチル)的」だと僕は思う。決して押し付けず、ふとした瞬間にBGMになっていた彼らの音楽のように、春菜さんは私たちの視界に映っている。

そして、言うまでもなく春菜さん自身もまた、ミスチルの大ファンだ。9月にトークイベントで共演させていただいた際、200人の観客と相方の箕輪はるかさんをミスチルトークで10分置き去りにしたことがある。そのご縁もあっての、今回だ。

「人生を支え、彩ってくれた音楽(=Your Song)」を著名人に尋ねるインタヴュー企画。
この連載最後を飾るのは、お笑いコンビ・ハリセンボンの近藤春菜である。

日本トップのテレビ出演数を誇りながらも、まるで友人のような距離感で親しみやすくあり続ける春菜さんを支えた音楽と、人生を紐解く。

インタビュー・テキスト:カツセマサヒコ撮影:豊島望
カツセ

まずは2018年、日本で一番テレビに出ていた女性タレント、おめでとうございます!

近藤

ありがとうございます。あれね、似ている人もカウントされてるんじゃないかな? 角野さん(角野卓造)とかも、一緒に数えているんだと思います(笑)。

カツセ

謙遜の仕方が独特すぎます…… (笑)。今回の発表を受けて、インタビューもいくつかネットにあがっていましたね。照れ隠しなのか「ギャラが安いから使われる」とぼかしていたと思うんです。でも、きっとご自分を冷静に客観視して、「近藤春菜が愛されている理由」もわかっているような気がしました。それって、何だと思いますか?

近藤

えー! うーん……なんだろう? 自分で言うのもなんですけど、親しみやすいとは思うんですよ。親戚だったり、学校だったり、会社、ご近所、商店街とかに必ずいる顔というか。街を歩いていても、気軽に声をかけていただくことがすごく多いし。

カツセ

普段、変装とかはされないんですか?

近藤

以前、眼鏡を外して、マスクをつけて、帽子を深く被って、完全防備していたんですけど、そのときに、後ろから声をかけられたことがあるんです。

カツセ

後ろ姿でバレたんですか⁉︎(笑)

近藤

もう私、シルエットとかでバレるんだと思ってから、逆に恥ずかしくて、そのときから変装はほとんどしなくなりました。でも、この距離感こそ、どんな番組でも違和感のないキャラクターになっているのかなというのは、自己分析としてありますね。

カツセ

出ている番組のジャンルを見ると、本当に多彩すぎて。そんな親しみやすさを持った春菜さんがどうやって形成されていったのかを、少し伺わせてください。

近藤

はい、よろしくお願いします!

カツセ

幼少期の春菜さんって、どんな子供でしたか?

近藤

めちゃくちゃ恥ずかしがり屋だったんです。小学校低学年のときは、ガールスカウトのお泊り会とかにいくのがすごく嫌でした。お父さんお母さんとか家族から離れたくなくて、前日とかにはめちゃくちゃ泣いて、ホームシックもすごかった。内弁慶で育ったんですよね。

カツセ

今の春菜さんからは想像できないですし、小さい頃の春菜さんしか知らない人は、あの子ががまさか芸人に……? って感じでしょうね。

近藤

そうですね。でも小学校高学年とかになってくると、バラエティ番組を観た翌日に教室の隅っこでモノマネしてたり、先生のマネしてたりしていて。だんだん周りの人にも見てほしい、笑ってほしいと思うようになりました。実際は自分の殻を破れなくて、すごく仲のいい友達の前だけでやって笑ってもらってたんですけど。

カツセ

お笑いに目覚めたのは、やっぱりテレビの影響なんですね。

近藤

例えばウッチャンナンチャンさんの『(ウッチャンナンチャンの)やるならやらねば!』とかの世代なので、それを観てめちゃくちゃ笑っていて。「なんて面白い仕事があるんだろう。この中でやったら楽しそう」って願望が沸々とありました。それで、最終的には卒業文集のランキングに「将来お笑い芸人になっていそうな人」で一位に載っていました。

カツセ

頭角を現したのはその頃からなんですね。

カツセ

春菜さんは、東京都狛江市のご出身でしたよね?

近藤

そうです! ミスチルの“雨のち晴れ”に出てくる<1DK 狛江のアパートには 二羽のインコを飼う>ってフレーズとか、まさに学生時代を過ごしていたときに聴いた曲なので、地元の友達と「どのアパート!? 鳥の鳴き声する!?」って探してました。

カツセ

渋い聖地巡礼ですね(笑)。

近藤

そうなんです(笑)。狛江なんて私からしたら地元の人しか知らない町だし、「まさかミスチルが!」って驚いたし、今でも誇りです。

カツセ

ミスチルはメンバー全員、エリア的には東京でも西側に所縁がありますもんね。

近藤

そう。たぶん私、中川さん(中川敬輔・ミスチルのベース)と一緒の塾に通っていたみたいなんです。中川さんの方がだいぶ先輩なので時期まで同じではないんですけど。それに、本当かどうかはご本人に聞かないとわかんないですけどね(笑)

カツセ

えーすごい! それは、ファンとしては一生自慢したいやつですね。

近藤

そう。勝手に自慢しています(笑)。